ルリボシヤンマとアカトンボ探索
夏以降雨が多く、なかなかトンボ観察に行けてませんでした
今日は奈良でルリボシヤンマ探しです
ついでにアカトンボも見ていきたいと思います
過去にルリボシヤンマの記録がある天川村に出かけました
最初に見かけたのは
ネキトンボ
結構います。
他で見るのと違い、結構下のほうにとまっています
今まで見てきたのは、高いところに停まっていることが多かったように思います
池でしばらく待っていると、大型のヤンマがやってきました
残念ながら、ルリボシヤンマではないようです
結構小さい池の割にはよく飛んできます
目の前で産卵もはじめました
ここでしばらく待ってみましたが、ルリボシヤンマは現れずでした
天気も少し曇ってきたので、予定していたミヤマアカネ探しは次回にして、宇陀市にある池に向かいました
アカトンボがたくさんいます
最も多いのが
奈良県ではとても珍しいマイコアカネが最も多くみられます
ここまで多産するところは奈良ではないかと思います
近年全国的に減っていて、奈良県の既産地でも見られなくなっています
しかしここでは最優先種になっています
次に多くみられたのが
奈良の大和高原と呼ばれる地域では多くみられますが、この種も全国的には激減しています
他に見かけたアカトンボは
これ以外にも、ナツアカネとネキトンボを確認していますが、マイコアカネとノシメトンボが圧倒的に多くいます
まだベニイトトンボも頑張っていました
やや鮮やかさは失っているもののまだまだ元気でした。
他のイトトンボより多く見られました
いよいよ秋のトンボの最盛期になってきます
アカトンボが多いものの、ミルンヤンマやカトリヤンマもまだまだ見ることができます
次回はミルンヤンマを探しに行こうと思っています
遠征してのハネビロエゾトンボ探し
しばらく、天候や私用などでトンボの観察が進んでいませんでした
夏の時期は、黄昏に飛ぶヤンマ観察が中心となり、撮影がうまくいかないことが多いのも一因です
そんな中で生駒で新たに二ヶ所でネアカヨシヤンマ、一ヶ所でマルタンヤンマ
隣接する大阪府四条畷市でアオヤンマとネアカヨシヤンマを観察しました
着くなりいきなり現れました
準備が整わない間のご登場でうまく撮れませんでした
まああとからゆっくり撮ればよいかと考えたのが大間違いでした
飛翔する姿を撮影できたのはこの時だけでした(´;ω;`)
とまっているハネビロエゾを見つけました
飛んでる時間はあまり長くありません
こうして止まっている時間のほうが長いかもしれません
少し角度を変えて撮影すると左の後翅がいたんでいるのがわかります
多分クモの巣か何かにひっかったのかと思われます
ハネビロエゾ特有の腹部先端が膨らんでいます
このような流れで生息するので、奈良でも探せば見つかるかもしれません
礫底の細い流れで水量は多くないところがポイントに思われます
ここに入ってきたメスの産卵です
チャンスは5秒くらいだったかと思います
来年の課題です
その近くでオニヤンマが産卵しています
目の前の産卵はさすが日本最大のトンボ
一回ずつドスンドスンといったような音が聞こえます
同じような環境で生活している両種ですが、オニヤンマはたくさん見れますが、
ハネビロエゾトンボは極端に少ないです
奈良では確実な産地はありません
生息環境がわかったので来シーズン頑張ります
そのあと近くの池をのぞいてみました
アオモンイトトンボの交尾で♀は異色型です
奈良でもよく見るトンボですが、これによく似たアジアイトトンボはだんだんと見かけなくなってきています
よく似た種でもちょっとしたことで拡大か縮小になるようです
この種も北上を続けていて、かつてはいなかったところに多くみられます
それに伴いもともとの占有種であったウチワヤンマが激減しています
同じ池で青いアカトンボを見つけました
ナニワトンボです
瀬戸内海を中心とした地域に生息しています
秋に水を落として法面が露出するため池で見られますが多くありません
青くならず黒くなるマダラナニワトンボという近似種は、既に近畿からいなくなりました
ナニワトンボがいなくならないことを祈るばかりです
暑い奈良で頑張るトンボ
今日は日中の気温が35度を超える猛暑日です
暑さを避けて、早朝からトンボの観察に出かけました
まずもういないかもしれないキイロヤマトンボを探すことにしました
現地に着いたのは7時過ぎですが、川面にまだ日が当たっていません
食事をしながらゆっくりと待って、8時過ぎに川に入りました
前回と違い水量がやや増え流れがきつくなっていました
転倒することを考え、カメラはゴミ袋に入れて口を縛りました
いつも待つところに行きますが全くトンボの気配がありません
たまにコオニヤンマらしき個体が通り過ぎていきます
ヤマトンボ系の個体も一頭だけ通過しましたが、おそらくコヤマトンボと思われます
9時前にやっと対岸にとまるサナエを見つけました
オナガサナエです
奈良では比較的多くみるのですが、結構敏捷でなかなか近づくことが難しい種です
今回は、フレンドリーに撮れました
普段は石などの平たいところに停まることが多いのですが、たまに枝先などにとまっていることもあります
また尾部先端の尾部附属器と呼ばれる部分が大きいことで名前が付きました
ここでもう一種夏のカワトンボを見つけました
よく見かけるハグロトンボですが、アオハダトンボによく似ています
ここで見分け方を説明しておきます
まず♂ですが、アオハダトンボのほうが全体に緑金属光沢が強く少し小型です
決定的なのは腹部先端の白い部分があるかないかです
♀ですが、これは比較的簡単に見分けがつきます
まずハグロトンボ
アオハダトンボです
いかがでしょうか?
最もアオハダトンボは比較的きれいな砂底の河川にいるのに対して、ハグロトンボは細流から大川まで広く生息します
また発生時期もアオハダトンボが6月中心に対してハグロトンボは7~8月が多くみられます
次に以前オオイトトンボとモートンイトトンボを観察した、湿地に向かいます
ぬかるみに悪戦苦闘しながら、湿地を進んでいくと
いました!
前回よりはずいぶん数が減っています
もう出現期末期なのかとも思いましたが
まだ羽化して間もない個体が見つかりました
まだしばらくは見ることができそうです
他にも
夏型のホソミイトトンボです
春型とは全然趣が違い、大きさも小さいため別種かとも思いましたが
ちなみに春型はこんな感じです
春型のほうが細長くて大きいサイズになります
色合いも随分と青みが強いのでほとんど別種の趣です
今回一番多く目についたのがキイトトンボでした
いたるところにペアを作っていて、全盛期の感じでした
今回は残念ながら、オオイトトンボは発見できませんでした
昼近くの熱い時間帯が影響したのかもしれません
体力的にも限界近かったので、お昼に切り上げて帰宅しました
夏の下北山スポーツ公園トンボ
梅雨の晴れ間が今年は非常に少なく、トンボ観察にはよい状況ではありません。
つかの間の晴れ間を狙って、7月初旬に下北山村を再訪しました。
サナエは全く姿を見ず、すでに夏のトンボたちの天国になっていました。
奈良で一番多く見かけるイトトンボといえばクロイトトンボです。
池から川の緩やかな流れまで適応力はすこぶる高く、隆盛を誇る一因かと思います。
羽化したての♀ですが、池面では交尾産卵も行われており発生時期も長い種です。
やや暗いところを好むのですが、ここでは明るいところでも多く見られます。
この種も秋までの長い期間見ることができます。
これは、明らかに露出オーバーの失敗作です。
トンボ自体が明るくなりすぎてよくわかりません。
少し全体をいじってみましたが、やはり全体に白くなっているのは難しいです。
撮影時にちゃんと合わせておかないと、あとで悔やむことになります。
特に千載一遇の種であったら、確実に落ち込みます。
次に私の飛翔写真の撮り方を紹介します。
参考になるかどうかはわかりませんが(-_-;)
まず全く加工なしの状態です。
マニュアルモードでシャッター速度1/800、絞りF4.0、ISOオート(640)で設定しています。
この写真では、50mmの標準レンズ相当で撮りましたので、背景も映り込んでいます。
これを好むか好まないかは、人によるかと思いますが、私はあまり好きではありません。
背景でトンボが目立たなくなっているためです。
こういう場合は、トリミングでごまかします。
上の写真をトンボ中心に切り取りました。
これだとトンボが目立ってよくわかるかと思います。
飛翔写真は、なかなか狙ってとることが難しいので、私は高速連射を使います。
10数枚連射した中でピントが比較的あっているものを残します。
またこの場所のように、なるべくトンボに近づける場所を選択するのも良い方法です。
約2mからの撮影です。
50mm相当のレンズだとピントの合う範囲が広がり撮れる確率がぐんと上がります。
もっと近くで撮れるならさらに広角側を使えば、ピントはほとんど気にならなくなってきます。
逆に遠くの飛翔写真を撮るときは、望遠レンズを使います。
2mの距離で撮影する場合のピントが合う範囲は
広角28mm相当でしたら、1.83-2.21m(38cm)の幅でピントが合います。
標準50mmでしたら、1.94-2.06m(12cm)の範囲しか合いません。
これが300mmだと、1.9988 - 2.0012m(0.24cm)の幅にしか合わず、奇跡的でない限り撮影不可能になります
この写真の場合だとピント幅は12cm程度しかありません。
トンボの翅、手前と奥側ぐらいがピント範囲だと思います。
またストロボを使うことで、シャッター速度を速めてトンボをぶれにくくしたり、絞り込でピントの幅を広げることで、さらに撮れる確率は上がります。
ただ写真が不自然になることが多いので、私は暗いところでない限りストロボなどの補助光は使いません。
ピントはベストではありませんが、見れるぐらいまで撮れているかと思います。
皆さんも一度飛翔写真に挑戦してみてください。
うまくいったら結構はまってしまいます。
キイロヤマトンボを撮る
ためていたので、連投になります。
昨日のグンバイトンボに続いて奈良でキイロヤマトンボを撮りたくて連日の観察です。
その前に、奈良ではほぼ見られないイトトンボを探しに行くことにしました。
この場所は奈良市の山手にある廃田です。
廃田の湿地に踏み込んだとたん、ワーッという感じで飛び立ったのが、これまた奈良であまり見ることのない、モートンイトトンボです。
これを見るために遠く新宮まで出かけていたのがうそのようです。
♀もいました。十分成熟した色合いになっています。
未熟な♀も同じところで見られます。
モートンイトトンボは湿地でしか見られないのですが、小型で飛翔距離もそう長くないと思われます。
湿地が(湿田)連続するような環境かであれば、生息域は広がりを見せるのですが、湿地が途切れたり、農薬等の影響で連続しなくなったりすると孤立化してしまうように思います。
そのため奈良では多くみられなくなったものと思います。
これはモートンイトトンボに限らず、移動距離が多くない種全体に言えることだと思われます。
次のオオイトトンボもその一種だといえます。
三枚ともオオイトトンボです。
奈良で出会えるとは思ってなかったので、連続で張り付けてしまいました。
オオイトトンボは近畿北部ではそう珍しい種ではないのですが、ここ奈良では絶滅寸前種の代表格といえます。
今回短時間での探索で複数見られたので、安定した産地かと思われます。
まだしばらく生息が続くので、また改めて訪れることにして、発生期間が残り少ないキイロヤマトンボを探しに行きました。
ここでは、昨日の京都と違い砂底の川面を広くパトロールしてくれるので撮影は比較的簡単です。
キイロヤマトンボが方向を変える時の飛び方で、胸から腹部にかけては90度傾けられているのに頭部はほぼ水平を保ったままです。
これはキイロヤマトンボに限らず色々なトンボにみられる光景です。
♀も一度だけ侵入してきたのですが、パトロール中のオスに見つかり産卵することもなく追い立てられ飛び去ってしまいました。
トンボはメスを見つけると、どのような状況でも交尾を試みようとして、飛びついていくことがほとんどです。
メスにとっては、ゆっくりと産卵することもままならない状況です。
ここで近畿で見られるヤマトンボの仲間の見分け方を説明しておきます
まずオオヤマトンボの特徴
次にコヤマトンボの特徴
最後にキイロヤマトンボです
慣れてくると、飛んでいる場所と飛び方などである程度分かりますが、確実なのは、採るか撮るかのいずれかだと思います。
最後に別の日ですが、キイロヤマのいるところでかなりな確率で一緒に見られるアオサナエです。
最近ではあまり多くみることがなくなりつつありますが、キイロヤマとはペアで見ることができる可能性が高いです。
どちらかが見つかれば反対の種の可能性も高いといえます。
今年は今まで撮れていなかった種の撮影が結構うまくいった前半でした。
これからはいよいよヤンマを中心とした夏のトンボに代わっていきます。
特に夕方に飛ぶヤンマの撮影が近年の課題です。
京都に遠征
奈良県では見られない、グンバイトンボを探しに京都まで出かけました。
最初のポイントでは、すぐに姿を見つけたので準備して入川。
よさそうなポイントを見るのですが、時間がまだ早かったのか見つかりません。
最も多かったのがクロイトトンボでした。
止水域から流水域まで広く生息していて、一番多くみることができるイトトンボと思います。
増えているように見えるのは、それ以外のトンボが減っていることの裏返しとも言えます。
茂みの中でハグロトンボが羽化していました。これからアオハダトンボに代わって増えてくると思います。
大きさもアオハダに比べると一回り大きい気がします。
アオハダトンボもまだ頑張っていましたが、少し老いてきているように思えます。
艶感も少し褪せて見えるのは気のせいでしょうか?
グンバイトンボを探しましたが見つからないので別のポイントに移動です。
やっと出会えました。
40年ぶりかと思います。近畿地方の北半分では見かけるのですが、奈良、和歌山を中心とした南側では見ることができません。三重県の南部では生息しているようなので、いずれ見つかるかもしれません。
グンバイトンボの産卵は♂が♀の上に直立するように立っています。
通常はこのように脚を折りたたんで、軍配があまり目立たないことが多く見受けられます。
しかし、別の♂が近づいたり、風にあおられたりすると
このように翅を大きく羽ばたかせて、足の軍配も目立つようになります。
♂が近づいた際は、威嚇のため広げているように見えます。
グンバイトンボの見られる池(少しずつ水が流入しています)にオオヤマトンボがパトロールしています。
比較的大きな止水域の岸沿いをパトロールしているのがよく見られます。
日本にいるヤマトンボの仲間ではもっとも大型で体もがっしりとしています。
ここではたくさんのグンバイトンボが見ることができたので、横を流れる河川に行ってみることにしました。
コヤマトンボが岸沿いをパトロールしています。
先ほどのオオヤマトンボによく似ていますが少し小ぶりで全体的に細身です。
普通は川にコヤマトンボ、池にオオヤマトンボで別れるのですが、コヤマトンボの一部は池で見られることもあります。
この時は見分けるのに混乱してしまうことがあります。
今日はこれによく似たキイロヤマトンボを探しに来たのですが、ここのポイントは底が礫になっていてキイロヤマトンボが好む環境ではありません。
またコヤマトンボが岸に沿って往復パトロールするのに対して、キイロヤマトンボは細かい砂地の上を広くパトロールするのが特徴です。
木陰近くで、翅が橙色型のニホンカワトンボを見つけました。
地域によっては、無色型の翅の個体もいるとのことで、アサヒナカワトンボと見分けにくくなります。
また紀の川から櫛田川を結ぶラインより南側ではほとんど見られないそうです。
少し下流の砂地で飛んでいるキイロヤマトンボを撮りましたが、少し離れているのとやや薄暗いのではっきりとわかりにくくなりました。
この日は数回飛び去る個体を見ただけで、縄張りしている様子は見られませんでした。
この岸辺でも若干のグンバイイトトンボを観察して今日は終了しました。
キイロヤマトンボを探して
今日はこれから多くなる、キイロヤマトンボの探索です。
緩い流れの砂底に生息するトンボで、水もある程度きれいな流れにいます。
最初に伊賀市を訪れました。
まず目に留まったのが
アオハダトンボはキイロヤマトンボがいるところに結構な確率で生息します。
よく似ているハグロトンボとは体色や羽の色で違いが見られます。
それ以外では、サナエトンボの仲間がたくさん見られました。
石に多くとまっているのはアオサナエで、日が強くなると太陽に向かってしっぽを掲げるようなしぐさをします。
体温が上がりすぎないようにするためといわれています。
次に多くみられたのは、ホンサナエでアオアサナエよりやや下流の少し石が大きいところにいるように思います。
アオサナエは砂底でキイロヤマと同じ傾向です。
ホンサナエのメスです。
これは道路にとまっているところです。
メスは流れで見るよりその周辺で見ることが多いです。
これはトンボ全体に言えることです。
本来の生息場所では、オスが待ち構えているので、避けているように思います。
産卵に現れたメスは、オスに追いかけられ交尾に至ることも多くみられます。
すぐ横の陰になっているところで、コオニヤンマが羽化真っ最中でした。
まだ腹部の伸び切っていないので、飛び立つまでは結構時間がかかるかと思います。
すぐそばには若いオスも見られました
羽化中のコオニヤンマのすぐそばの石にオジロサナエのヤゴが上がってきています。
これから羽化でしょうがすでに10時を回っています。結構遅くから始まるようです。
すぐそばに羽化直後の個体を見つけました。
まだ体色もはっきりしていない羽化ホヤホヤの個体です。
胸にははっきりとY字模様が見えます。
このほかにもオナガサナエの羽化殻が多くみられたので6月中頃を過ぎたら水辺に現れ、だんだんと春のサナエから夏のサナエへと移っていきます。
11時過ぎまで粘りましたが、キイロヤマトンボは数回目撃したのみで
証拠写真的な一枚を貼っておきます。(腕が悪いので撮れませんでした)
ここはかつて多くの記録があった地域ですが、最近ではあまり見かけていません。
いましたいました。
砂地の上を大きくお回りしています。
コヤマトンボは川岸沿いを直線状に縄張りすることが多いのですが
キイロヤマトンボは流れの中ほどを平面的に縄張りします。
また黄色みが強いので慣れればすぐそれとわかります。
ここでは複数見ることができたので、安定した産地といえると思います。
これで今日の目的は達成できたので、帰り際に前回ハッチョウトンボが見られた池に向かいます。
相変わらずハラビロトンボが多くいる中にキイトトンボを見つけました。
こんな草にとまっていると見分けがつきません。
すぐそばにベニイトトンボも見られます。
ベニイトトンボは結構珍しい種ですが、最近キイトトンボも少なくなった気がします。
しかし肝心のハッチョウトンボが見当たりません。
結構丹念に探しましたが、結局見つかりませんでした。
暑さでどこか陰にでも入っているのかと思われますが、後日再探索することにして帰路につきました。