キイロヤマトンボを探して
6月に入れば姿を見かけるキイロヤマトンボを探しに出かけました
昨年確認した場所ですが、川の状況は大きく変わっており、キイロヤマトンボにはあまり芳しくない状況になりました
朝8時過ぎに川面に日が差し出したころ、アオハダトンボが横切りました
体感的にはまだ肌寒いくらいの状況でしたが、元気に飛んでいきました
この時期になるとメスのほうを多く見かけるようになり、発生期の終わりが近づきつつある雰囲気です
オスも少ないながら見かけます
オスとメスの区別点は、翅にある白い斑紋です
メスにはありますがオスにはありません
清流にしか見られず、緩やかな流れで砂地があるところを好みます
奈良県ではまだ、そこそこ見つかりますが、全国的にはあまり多く見られません
8時半ごろにはヤマサナエが私の座っているすぐそばにとまりました
あまりに近いので横から撮るのが難しい状況です
少しだけ体を動かして
さらに横からと動いた途端飛び去りました
その後トンボの姿はあまり見られない時間が過ぎていきます
川面の半分くらいに日が当たった時、少し大きなトンボが流れを横切るように飛んでいきました
遠く離れていたので撮影はかなわなかったのですが、コヤマトンボかキイロヤマトンボのように見えました時刻は9時10分ぐらいです
それから後は5分間隔ぐらいで飛んできます
ほぼ正面から飛んできたコヤマトンボと思われる個体です
これはその数分後に現れた個体で黄班の状態からコヤマトンボであることがわかります
コヤマトンボとよく似たシルエットですが
1.コヤマトンボよりスマートに見える
2.腹部先端付近の黄班が大きい
3.最も大きな違いは翅の下に隠れてわかりにくいのですが、腹部つけ根の黄斑が上下に切れていることが決め手となります
別の個体ですが、腹部つけ根の黄班が上下に分かれているのが確認できます
これ以外で違いを見つけるのは採集しないとわかりにくいのですが、慣れてくるとなんとなくわかってきます
特に飛び方に大きな違いがあります
コヤマトンボは少し大きめの石を含む川底の上を岸沿いに往復していることが多いのに対しキイロヤマトンボは細かい砂地の上で川の中央付近を飛んでいることが多くなります
例外もありますが、多くの場合この点で種の予測ができます
コヤマトンボは奈良県各地で見られ、流れだけでなく大きな池や湖でも見かけます
キイロヤマトンボは奈良県下で数か所見つかっていますが、いずれも個体数は少なく
めったに見かけるトンボではありません
これは全国的に言えることです
キイロヤマトンボの生息環境が細かい砂地に限られることから、水流や増水、浚渫などで大きな影響を受けるため安定した生息地が少ないと思われます
トンボは飛翔中にターンするときは写真のように頭はほぼ水平に保ったまま体をひねって曲がります
目視ではなかなか確認が難しいのですが、写真だとこのように確認することが可能です
このあと川に葉っぱや小枝が次々現れると、トンボが川面を飛ばなくなりました
河原を散策すると
なかなか見つかりにくいアオサナエ♀です
非常に敏感でこの直後に飛び去りました
ここではあまり見かけないショウジョウトンボがいました
オスはネキトンボとよく間違われ、♀はオオキトンボと間違われたりしますが
奈良県各地で普通に見ることができるトンボです
最後に嫌なものを見つけてしまいました
10cmぐらいの幼魚でしたがブラックバスは飛翔中のトンボや産卵中のトンボを食べます
各地でトンボに限らず水生在来種を脅かす存在です
根絶することはもはや不可能ですので、どこかでバランスしてくれないかと思っていますが、なかなか難しい問題のようです