春のトンボ探し
今年に入って三度目のトンボ観察です
最初は、越冬種のオツネントンボ
二度目は三重県熊野でアサヒナカワトンボ
そして今回は奈良県で今年発生しているトンボの観察です
最初は大和郡山の公園で観察です
春といえば、シオヤトンボが早くから飛び出します
若いですが十分成熟していて、産卵もしています
以前ここでサラサヤンマを見たことがあったので、期待してきてみたのですが・・・
まだ少し早いのかもしれません
ここではあとシオカラトンボを見ただけで次の場所に移動しました
次の場所は自宅近くにある住宅街の中の池です
ハスが結構多くて、半分湿地状になったトンボにとっては好都合の池です
サナエトンボを目的としましたが一番多く見たのは
去年はあまり多くなかったので心配していたのですが、今年はすでにかなりの個体数です
奈良県では、準絶滅種になっていますが結構あちこちで見かけます
こちらもすでに産卵している個体を見かけました
春の初めから、晩秋まで最も多く見かけます
トンボの数が少なくなっているように思われる近頃ですが、クロイトトンボだけはかなり多く見られます
環境の変化に強いといえるかもしれません
このあと奈良県の最西北部に行きますがまだ少し早いのかトンボを見かけません
そこで一気に南下して五條市方面に向かうことにしました
よく観察に行く池でやはり多く見たのは
いたるところで縄張り争いが見られます
そこで静かに止まっているサナエを見つけました
春の奈良では、よく見かけますが全国的には少なくなっているようで絶滅危惧種に指定されています
ここでも以前はもっと多く見かけたのですが今日は少なめです
別の場所に移動したところ少し違和感のあるサナエを見つけました
上の写真と比べると明らかに黒味が強く、別の種かと思わせられます
今まで多くのオグマサナエを見てきましたが、ここまで黒い個体は初めてでした
ここでは以前、タベサナエを見つけていましたので、一瞬それかと思ったのですが
結局ここで見かけたのは
ダビドサナエは本来川に生息しているのですがここに来ると今の時期は、ほぼ毎回見ることができます
横を流れる水路が発生場所と思われますが、オグマサナエと入り混じって見られるのは、結構珍しいように思います
最後にクロイトトンボの羽化後間もない個体を見つけましたので、先の個体と見比べていただくと別種に見えるかと思います
今日の観察はこれぐらいにして、連休が明けたら本格的にシーズンインの予定です
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2023-03-30
今年初めてのトンボ観察です
もちろんこの時期にはまだ羽化が始まっていませんので、越冬種の観察です
日本での越冬種は三種類いて、ホソミイトトンボ、ホソミオツネントンボ、
オツネントンボといずれも小さなイトトンボです
今日はそのうち最もお目にかかりにくい種のオツネントンボを探しに行きます
奈良県ではかなり減少している種類です
天候も晴れて気温も20度近くまで上がり、風が少し強いものの絶好の観察日和
奈良市内の山間にあるため池に向かいました
土手の上から覗き込むように探しているといましたいました
枯草とよく似た色合いをしているのでじっとしているとなかなか見つけられません
この時も飛び立ったので見つけられました
毎回この写真のようにあまりぱっとした写りにはなりません
バックが水辺になると少しは目立つようになりますが、もともと地味な色合いなので
よくよく目を凝らさないと見つけにくく思います
まだ少し寒さが残る時期ですが、活発に飛び回り、シーズン初めでまだトンボを見る目ができていない時期には追いかけるのが大変です
土手の上を何回か行ったり来たりしているうちにタンデムになって飛んでいるのを確認しました
少し待っていると枯草にとまってくれました
そのうちに産卵が始まるかもと思い、しばらく待っていると
昨年は♀単独での産卵を確認しましたが、その時は立っている枯草に産卵していました
今回はペアで横になった枯草に産卵しています
ここで産み付けられた卵は6月ごろには羽化して越冬後に産卵に訪れます
トンボにしてはとても長生きの種類です
身近にある池にも生息しているかもしれません
一度探してみられたらいかがでしょうか?
初めての記録種
しばらく更新していませんでした
休みの日が雨だったり、曇りがちだったりしてつい出そびれてしまいました
今日は、知人に教えていただいたポイントに向かいます
目標は、ピンボケしか撮れていないベニトンボ
さてうまくいったのでしょうか
教えられた池を訪ねます
そこで早速目に入ったのが
ここ数年前から奈良で見ることができるようになった南方系のトンボで、かつては八重山諸島あたりでしか見ることができませんでした
最近になり北上速度が上がり、今では近畿地方の全域で見ることができます
日本海側まで到達したかは不明です
飛翔中の写真はややピンボケ気味ですが、ベニトンボの飛翔が早くシャッター速度が遅すぎたためと思われます
残念ながら今回は♂ばかりで、♀の姿は確認できませんでした
個体数は6~7頭見ましたので、メスもきっといるかと思います
先日日本列島を縦断していった台風に乗ってきたのかもしれません
この池で他に見られたのは
少しわかりにくいですが、オスの尾部附属器と呼ばれるかぎ状の部分で♀をしっかりと捕まえているのがわかるかと思います
肉眼ではここまで見ることは不可能ですが、写真で見ると今までと違った視点で見ることができます
ここはどこっと思ってしまう光景です
両種ともかつては奈良にいませんでした
温暖化の影響でどんどん北上を続ける両種です
北海道まで行くのでしょうか?
あと池面を高速で飛ぶ赤いトンボがいるのですが不規則に早く飛ぶため種の確認ができません
仕方なく連射でバシャバシャと連射します
やっととれたのは
ネキトンボは池のそば高い枝先にとまっているイメージがあったので、何かと思ってしまいました
他にもムスジイトトンボ、コシアキトンボなどを見ることができました
今回は目標のベニトンボがオスだけですが確認できました
またメスを探しに近々訪れたいと思います
キイロヤマトンボを探して
6月に入れば姿を見かけるキイロヤマトンボを探しに出かけました
昨年確認した場所ですが、川の状況は大きく変わっており、キイロヤマトンボにはあまり芳しくない状況になりました
朝8時過ぎに川面に日が差し出したころ、アオハダトンボが横切りました
体感的にはまだ肌寒いくらいの状況でしたが、元気に飛んでいきました
この時期になるとメスのほうを多く見かけるようになり、発生期の終わりが近づきつつある雰囲気です
オスも少ないながら見かけます
オスとメスの区別点は、翅にある白い斑紋です
メスにはありますがオスにはありません
清流にしか見られず、緩やかな流れで砂地があるところを好みます
奈良県ではまだ、そこそこ見つかりますが、全国的にはあまり多く見られません
8時半ごろにはヤマサナエが私の座っているすぐそばにとまりました
あまりに近いので横から撮るのが難しい状況です
少しだけ体を動かして
さらに横からと動いた途端飛び去りました
その後トンボの姿はあまり見られない時間が過ぎていきます
川面の半分くらいに日が当たった時、少し大きなトンボが流れを横切るように飛んでいきました
遠く離れていたので撮影はかなわなかったのですが、コヤマトンボかキイロヤマトンボのように見えました時刻は9時10分ぐらいです
それから後は5分間隔ぐらいで飛んできます
ほぼ正面から飛んできたコヤマトンボと思われる個体です
これはその数分後に現れた個体で黄班の状態からコヤマトンボであることがわかります
コヤマトンボとよく似たシルエットですが
1.コヤマトンボよりスマートに見える
2.腹部先端付近の黄班が大きい
3.最も大きな違いは翅の下に隠れてわかりにくいのですが、腹部つけ根の黄斑が上下に切れていることが決め手となります
別の個体ですが、腹部つけ根の黄班が上下に分かれているのが確認できます
これ以外で違いを見つけるのは採集しないとわかりにくいのですが、慣れてくるとなんとなくわかってきます
特に飛び方に大きな違いがあります
コヤマトンボは少し大きめの石を含む川底の上を岸沿いに往復していることが多いのに対しキイロヤマトンボは細かい砂地の上で川の中央付近を飛んでいることが多くなります
例外もありますが、多くの場合この点で種の予測ができます
コヤマトンボは奈良県各地で見られ、流れだけでなく大きな池や湖でも見かけます
キイロヤマトンボは奈良県下で数か所見つかっていますが、いずれも個体数は少なく
めったに見かけるトンボではありません
これは全国的に言えることです
キイロヤマトンボの生息環境が細かい砂地に限られることから、水流や増水、浚渫などで大きな影響を受けるため安定した生息地が少ないと思われます
トンボは飛翔中にターンするときは写真のように頭はほぼ水平に保ったまま体をひねって曲がります
目視ではなかなか確認が難しいのですが、写真だとこのように確認することが可能です
このあと川に葉っぱや小枝が次々現れると、トンボが川面を飛ばなくなりました
河原を散策すると
なかなか見つかりにくいアオサナエ♀です
非常に敏感でこの直後に飛び去りました
ここではあまり見かけないショウジョウトンボがいました
オスはネキトンボとよく間違われ、♀はオオキトンボと間違われたりしますが
奈良県各地で普通に見ることができるトンボです
最後に嫌なものを見つけてしまいました
10cmぐらいの幼魚でしたがブラックバスは飛翔中のトンボや産卵中のトンボを食べます
各地でトンボに限らず水生在来種を脅かす存在です
根絶することはもはや不可能ですので、どこかでバランスしてくれないかと思っていますが、なかなか難しい問題のようです
モートンイトトンボを探して
6月に入ったので、モートンイトトンボが盛期を迎えると思い奈良市の丘陵地にある廃田を訪ねてみました
まず立ち寄ったのが忍辱山町にある廃田の湿地です
大きめの廃田で水量も豊かです
所々に水がたまっていてオオイトトンボがいても良いくらいの環境です
踏み込んですぐに
いましたいました!
結構な個体数が見れます
羽化後一日以上たった個体と思われます
これ以上成熟した個体は見当たらなかったので、この場所では羽化が始まって間がないかと思われます
すぐそばには♀も見つかりました
こちらも羽化直後ぐらいの個体です
再訪を期して次の場所へと向かいました
向かったのは月ヶ瀬方面です
5月に来た時に多くのヨツボシトンボを見かけた場所です
ここでも湿地に入ってほどなく
先ほどの個体とほぼ同じくらいの成熟度
ここでもつい最近羽化が始まったものと思われます
少し時間がたったオスもいます
ここでもこれからしばらくは観察できそうです
5月初めにたくさんいたヨツボシトンボはかなり減っていました
かなり成熟が進んでいるのが体色から感じられます
どちらかといえば老熟に近づいているように思えます
まだそこここで見られましたので、まだしばらくは観察できそうです
とりあえずモートンイトトンボがいるであろうとめぼしをつけていたポイントでうまく見つけることができました
次に訪れたのは、5月にオツネントンボの産卵が見られた池です
クロイトトンボの羽化直後の個体が相変わらずあちこちから舞い上がります
すぐそばでは
既に産卵準備に入っているペアもいます
池面では産卵中のものも見受けられます
クロイトトンボはイトトンボの仲間では最も多くみられ、最近特に増えてきている感じがします
まずどこの水辺に行っても見ることができるのではないかと思います
そこで少し謎なトンボが見つかりました
胸の金属緑色の形がよくみられるオオアオイトトンボと明らかに違います
これはもしかして絶滅危惧種で奈良では近年記録されていないコバネアオイトトンボでは?
こののち詳しい方にお尋ねしたところ、残念ながらアオイトトンボの羽化直後の個体とのことでした
盛夏から秋にみられるのはこういった色彩なのでアオイトトンボとは思い当たりませんでした
また一つ知識が増えた気がします
今日の最後は
イトトンボの仲間では結構どう猛で他のイトトンボやアブなどを食べているのを見かけたことがあります
今日はイトトンボ中心の観察でしたので次回は少し大きなトンボを見に行きたいと思います
今年初めてのトンボ観察
4月に行くことができなかったので5月4日が今年初のトンボ観察でした
奈良県最北部を訪れました
ここへは一度も来たことがなく、少し期待したいところです
目的は、コサナエ属の調査でしたが💦
始めに訪れたのは水道の水源となっているダム湖で、トンボの生息環境としてはいまいちでした
何もいない中姿を見せたのは
通常は流れにいるのですが、結構止水域でも見かけます
しかしこの一頭以外見かけることはなく次の目的地に向かいました
次のポイントは、小さな池がいくつかあるところなので車を駐車して徒歩で回ることにしました
最初の池は、google mapで見るとパッとしない感じであまり期待していなかったのですが、意外や意外結構トンボが飛んでいます
ここではイトトンボ類を結構見ることができます
成虫で越冬する三種が偶然カメラに収まった、少し珍しい写真が撮れました
このオツネントンボは、なぜか他種のイトトンボからちょっかいをかけられています
これでは落ち着いて産卵するのも大変でしょうが黙々と産卵していました
この池ではクロイトトンボの羽化が盛んでいろいろなステージを同時にみることができます
アメンボの犠牲になったクロイトトンボもいました
かわいそうに思えますが、過去からずっと起きてきたことなのです
この池ではほかにもヨツボシトンボやトラフトンボなども見ることができました
また訪れたい池でした
周辺の池も周りましたが、トンボがここより多い池はありませんでした
ヨツボシトンボが多くみられる地域です
この後めぼしをつけていた、湿地に向かいます
昔は田んぼであったのではないかと思われる湿地で、雨後のためか水量が大目に思えます
ホソミオツネントンボがたくさん見られ、産卵もいたるところで行われていました
他にはこの地域で最も多くみられるヨツボシトンボ
色々な角度で撮ってみましたが、やはり定番は
このスタイルが一番特徴をとらえていると思います
ハネの真ん中に褐色班があることから四つ星トンボになりました
よく似た種にベッコウトンボがいます
かつては奈良にも生息していたのではないかと思われますが、現在確認されていません
過去でも記録にあるかすら怪しいものです
全国的にも極めて少なくなっており、近畿では多分絶滅!
全国で数か所の産地が確認されているのみとなっています
今たくさん見られるヨツボシトンボもこうならないよう祈るのみです
今年初めての観察も多くのトンボに出会え良いスタートとなりました
春に記録しておきたいのが、ムカシトンボとクロサナエです
近々探しに行く予定です
下北山村のアカトンボたち
久しぶりに、トンボの観察
いつものダム下の公園へ向かいます
ここでの最優先種ともいえるほどたくさん見ることができます
奈良県では最も普通に見ることができたのですが、生駒市などではとても少なくなっています
以前見ることができたところに出かけても、お目にかかる機会が少なくなっています
短期間で減少するのは、人的影響が大きいと思われます
産卵中のペアにも出会いました
♀はノシメ斑と呼ばれる、褐色部が羽先端にある個体です
別のペアが卵塊を作って産卵しようとしている直前です
♀の先端に卵塊ができているのがわかるかと思います
マユタテアカネを観察したのち池辺に目をやると
次の多く目についたのが、ネキトンボでした
あちこちで縄張りしていますが、結構低いところに多くいます
私の住む生駒では木の枝先高いところにいることが多いので少し不思議な感じです
前回行った、天川村でも低いところで多く見たのでこういった状況が普通なのかとも思います
アカトンボがもう一種
この種も奈良ではかなり多くみられます
マユタテアカネとリスアカネはやや薄暗いところかその近くで見ることが多く感じます
しかし一番肝心のキトンボの姿がありません
10月の初旬ということでまだ少し早いのでしょうか?
また昨年見つけたミヤマアカネも今回は見れませんでした
もともと多くありませんでしたので、今日は留守してたものと思われます
アカトンボのほかでは
まだまだ多くいて、盛んに縄張り争いをしていました
しばらくは観察できそうです
川の対岸でイトトンボがオニヤンマに反応して、立ち向かっていきました
オオアオイトトンボです
小さな体にもかかわらず大物に反応するとは、なかなか勇気ありますね
あまり多くはないようで、見かけたのはこの個体だけでした
他にも写真は撮れなかったですが
オニヤンマが川沿いをパトロール中で、池ではギンヤンマがいました
すっかり秋っぽくなりましたが、まだ夏のトンボも頑張っている感じでした
今シーズンもう一度行ってみたいと思います