新宮市の「たんぼ水族館」を訪ねる
今回は奈良を少し離れて新宮市にある「たんば水族館」を訪ねてみました。
天気はあいにくの曇り空でトンボにはいまいちに思えました。
まず最初に出会ったのが、今が最盛期と思えるアサヒナカワトンボ
田んぼ横の細流からそこそこの河川まで広く生息しています。個体数も結構多いので近くの流れで見ることも多いかと思います。
成熟、未成熟でこんなにも体色が違っています。
未成熟はメスにそっくりな色合いです。
これから真夏まで非常に多く見かけるトンボです。
ホソミオツネントンボの交尾時の状況です。
オスの尾部先端がハサミが開いたようになっているのは、このためなんですね!
これも肉眼ではなかなか確認しにくい部分です。
次はここで50年ぶりぐらいに出会ったトンボ
オオイトトンボです。
奈良県は特に少なく、近畿でも北の方面では比較的見ることができますが、南ではあまり見かけません。
青緑色がとてもきれいなトンボで、5月から10月ごろまで見れます。
次にであったのは、私も初めて出会ったトンボです。
とても小さなイトトンボで、湿地や廃田などに生息していますが、最近は減少が著しくなかなかお目にかかれない種になっています。
「たんぼの水族館」は集落のすぐそばで道路も隣接する環境ながら、すごく守られている気がします。
かかわっている方々の努力のたまものかと思います。
是非新宮方面に出かけたら寄ってみてください。
昔はこんなところがいっぱいあったことを思い出すかと・・・・
今日のゲストは
湿地の流れに結構見ることができました。
春の生き残り種を探して
今日は久しぶりに晴予報!
4月ごろに羽化した渓流種は、ボチボチ終盤に差し掛かっています。
今年も巡り合えない渓流種をもとめて川上村に行きましたが残念!
何の収穫もないまま、さらに南下してコサナエを探しに行きました。
まず最初に目に留まったのが
細い流れを往復しています。
2m前後にピントを合わせて、ひたすら連射します。
初期のころは何百枚に数枚しか見れるものはありませんでしたが、去年ぐらいから2割ぐらいは、残せるものになってきました。
コヤマトンボのようにずっと滞空せず飛翔する種は、ピント合わせが難しく目測で合わせるしかありません。
滞空する種だと、マニュアルでピント合わせするのが効率よいかと思います。
この流れに中型のサナエトンボが見つかりました。
ヤマサナエです。
里山から丘陵地帯まで流れがあれば、結構な確率で見つかります。
ここではもう一種そっくりなキイロサナエも生息しますが、まだ少し早かったようです。
流れのそばにある石や草木にとまっているのが見受けられます。
お馴染みの定番種でよく似た種類です。どちらも止水域が生息環境ですが、緩い流れでも発生しているようです。
シオカラトンボは11月ごろまで長くみられます。
シオヤトンボは7月ごろまでかと思います。
サナエトンボに比べると発生期間が長くなります。
イトトンボも大変多くいます。
この二種に加えて、ムスジイトトンボもいましたが、写真に収めることはできませんでした。
次に探したのが
もともとは北日本に多い種ですが紀伊半島の沿岸部や信楽などで見られます。
ここは奈良県唯一の産地で県の特定希少野生動植物に指定されていて、採集は禁止されています。
今日はこれ以外で
ミヤマカワトンボ、ムカシトンボ(多分)、クロスジギンヤンマ、ヨツボシトンボなども見られ、多くの種が同時にみられる貴重な場所になっています。
今回で春先に活動するトンボは終了。
いよいよこれから夏にかけて活動するトンボを探していきたいと思います。
大型種を求めて5/26
今日は、曇の天気予報。
ムカシトンボの生き残りを探しに行く予定でしたが、曇りだと飛ぶ確率が低いのでもう少し平地を流れる川に下見がてら出かけました。
キイロヤマトンボが目的ですが、まだ時期的に早いので多分見ることはないと思いつつ出かけてみました。
朝8時前に現地につきましたが、さすがに少し肌寒い感じです。
土手の上から見ると、護岸に生えているイタドリの葉上に黒いトンボがいます。
近畿地区で見られる黒いトンボは、アオハダトンボかハグロトンボです。
この写真のように♂の金属緑光沢が強く出ています。アオハダと呼ばれる所以です。
ハグロトンボはもう少し黒みを帯びて発生も少し遅れる感じです。
メスは羽に白い紋が入るので簡単に見分けられます(偽縁紋と呼ばれています)
ここで少し面白いことに気が付きました。
日も差さず朝早くて寒いためか、翅で尾部を包むようにしています。
ほとんどすべてがそうしているのを見ると、保温のためといえるかもしれません。
たまに翅を開き尾部を持ち上げたりしますが、また同じ姿勢に戻ります。
心なしか翅を山形に開いて包んでいるように見えます。
普通は次の写真のように尾部は翅から出ています。
少し暖かくなった9時前ぐらいから一頭また一頭と川面に降りていきました。
日がさしてこないので、この場所から移動することにしました。
昨年、アオサナエとホンサナエを確認した場所に移動しましたが、何も見つけることなく早々に退散して、頻繁に通う池に向かいました。
池のトンボは川のトンボより日差しの影響が少ないように感じます。
特にトンボ科の種はその傾向が強く思います。
まず最も多かったのは、ハラビロトンボです。発生時期の盛期とみえ、あちこちから羽化直後の個体が飛び出します。
湿地から少し離れた流れのそばにはシオヤトンボがいます。
シオカラトンボによく似ていますが、シオカラよりは少し太短い感じです。
このトンボは止水域が生息場所ですが、私のイメージは、河川沿いの道端にいる感じです。流れの緩いところも生息域なのかもしれません。
かなり体の状態が不自然です。
翅だけ見るとまだそんなに老熟している感じではないので何らかのトラブルに巻き込まれたのかもしれません。
このような姿は初めて観察しました。
♂が真っ赤になるので、よくアカトンボと間違えられます。
オスもメスも赤とんぼに比べて腹部が横に広がっています。
アカトンボは丸く細くなるので見分けるポイントになります。
この時期から秋ごろまで長くみることができる種で、田んぼや畑のある里山でよく見かけます。
湿地の端を歩いていると、小さなトンボが目につきました
日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボです!
奈良で見たのは初めてです。昨日行ったお亀池も生息地になっていますが見かけませんでした。
この場所も今までかなりの回数来ていますが、見つけられませんでした。
私の場合ある特定のトンボを探していると、ほかのトンボが目に入らぬ傾向にあります(-_-;)
とにかくここで見ることができたので今後観察を続けたいと思います。
昨年から観察行動範囲を近畿一円まで広げたため、地元の観察が結構おろそかになっています。
帰る途中で、以前トラフトンボやサラサヤンマが見られた、池に寄ってみました。
両種とも見つけられませんでしたが、池をオオヤマトンボだけが飛んでいました。
これで今日のトンボ観察は終了ですが、昨日、今日のゲストを紹介します。
両種ともとても美しい色合いで、特にカラスアゲハは羽全体が色づきとてもきれいでした。
御杖村から曽爾村5/25
久しぶりの晴れ間で、渓流にいるであろうトンボたちを見に行くことにしました。
一か所目は全くと言っていいほど何もいず、別の谷筋に向かいました。
この川筋では一番多かったように思われます。相変わらず追っかけあいでやっととれたのが、鉄柱の上にとまっている姿でした。
やや不満ながら、時間を取られるのが嫌で先に歩を進めます。
道の上から7~8m離れた個体です。
アップにしすぎると荒くなるのでこれぐらいでご勘弁を
この流域ではあまり多くありません。
ちょっと上流すぎるのかもしれません。
もう少し川幅のあるゆったりとした流れに多い気がします。
ミヤマカワに次いで多くみられたのが、アサヒナカワトンボで川沿いや道沿いで多く見られました。
交尾写真は、私のザックの上で結合寸前の状況です。
オスの副性器がカギ型に開いているのが写っています。
肉眼では、見えなくても写真では見ることができます。
このような場所は渓流性のサナエトンボが見られるところです。
流れに近づいて、石の上を見るといました❣
この付近で5~6頭見ることができました。
よく似た種にクロサナエがいます。
ダビドサナエの特徴をアップにしておきます。
渓流で胸に二本線があるサナエは、ダビドサナエかクロサナエのどちらかです。
次に向かったのは曾爾高原のお亀池です。
トンボの環境的にはすごく良いと思うのですが、意外と少ない気がします。
小さなイトトンボがすばしっこく飛び回るので、モートンイトトンボかと思いましたがアジアイトトンボでした。
メスは未熟な時は朱色をしているので、別の種かと思ってしまいます。
よく似た種にアオモンイトトンボがいます。
オスの見分け方
メスはさらにややこしいのでまた機会を改めます
それ以外で見たイトトンボの仲間
これら以外にも、ヨツボシトンボがいましたがサナエは全く見かけませんでした。
ぼちぼち春のトンボが少なくなってきました。
次は夏のトンボの出番で、大型の種類が多くなってきます。
明日は夏のトンボを少し先取りしようかと企んでいます。
奈良に生息するトンボ
いままで奈良県及び周辺のトンボを探してきましたが、奈良にかかわるトンボの情報が少ないので、これから少しずつ書いていきます。
初めてなので、今年になって観察できたトンボたちを少し紹介したいと思います。
春一番に活動を始めるトンボで丘陵地帯にある池や流れの淀みなどで多くみられる種です。4月20日過ぎですでに繁殖活動をしています。
4月上旬には羽化していると思われます。
こちらの種も、春一番から秋まで長期にわたり、あちこちで見られるポピュラーな種です。♂は成熟すると粉をふいて青く見えます。
水辺であればほとんどで見ることができます。
翅の真ん中に黒い点があることから名づけられたトンボです。
前二種よりは、少ないですが奈良では各地の池で見ることができます。
水生植物が多い池沼で多く見られます。
奈良県では、希少種に指定されています。
4月ごろから10月ごろまで長期にわたり見ることができるイトトンボの仲間です。
非常によく似た種でアジアイトトンボがいます。いずれ両種の比較を紹介できるかと思います。奈良各地の池沼で見ることができます。
丘陵地帯の小さな流れで多くみられる種です。
オスは写真のように白く粉をふきますが、メスは全身金属光沢をもった緑色になります。
奈良各地の流水で普通に見ることができます。
前種によく似ていますが、羽が橙色に色づくことで見分けられます。
前種より、広い流れに多くみられ,大きな河川ではこちらが多くみられます。
今回は両種が同じ場所で確認できましたが、通常は生息場所が違っていることのほうが多いです。
メスは両種の区別がつきにくく同所で見られる場合は注意が必要です。
前二種とともにカワトンボの仲間です。
最も大きく、より急流になったところでも生息します。
割とすばしこくて、写真に収めるのに一苦労することがあります。
比較的きれいな流れの中上流域に多くみられます。
奈良では各地の池沼で多く見られますが、全国的には少ないようで絶滅危惧種になっています。
サナエとは早苗のころにみられるところからつけられたものと思われます。
大きさは5cm程度と小さなトンボですが、よく似た種が多いため見分けるには慣れが必要です。
早速前種に似た種が現れましたが、別の種です。
元来、北日本を中心に生息している種で、奈良では南部の二ヶ所でのみ生息していますが、個体数は多くありません。
奈良の特定希少野生動植物に指定されていて、採集は禁止されています。
いずれ似通った種をまとめて説明できればと思っています。
またまたとても良く似た種の登場です。
大きさはどれも似たり寄ったりですが、前二種と違い、流水に生息しますので、あまり一緒にみられないのです。
しかし五條市の産地ではオグマサナエとダビドサナエが同所で見られ、ほかにも二種類よく似た種を見かけています。
撮影又は採集しないとはっきりと区別するのは難しいと思います。
最後は奈良県で少し珍しい種です。
トラフトンボと呼ばれますが、体の模様から名づけられたと思われます。
水生植物の多い、丘陵地帯の池沼で見られ、奈良県で希少種に指定されています。
今回初めてなので、トンボの見本市のようになりましたが、次第に観察記的にしていきたく考えています。