奈良を主としたトンボ観察日記

奈良でトンボの生態写真を撮ってます

奈良に生息するトンボ

いままで奈良県及び周辺のトンボを探してきましたが、奈良にかかわるトンボの情報が少ないので、これから少しずつ書いていきます。

初めてなので、今年になって観察できたトンボたちを少し紹介したいと思います。

f:id:tombonara:20210521144027j:plain

シオヤトンボ

春一番に活動を始めるトンボで丘陵地帯にある池や流れの淀みなどで多くみられる種です。4月20日過ぎですでに繁殖活動をしています。

4月上旬には羽化していると思われます。

f:id:tombonara:20210521144418j:plain

シオカラトンボ

こちらの種も、春一番から秋まで長期にわたり、あちこちで見られるポピュラーな種です。♂は成熟すると粉をふいて青く見えます。

水辺であればほとんどで見ることができます。

f:id:tombonara:20210521144619j:plain

ヨツボシトンボ

翅の真ん中に黒い点があることから名づけられたトンボです。

前二種よりは、少ないですが奈良では各地の池で見ることができます。

水生植物が多い池沼で多く見られます。

奈良県では、希少種に指定されています。

f:id:tombonara:20210521145457j:plain

アオモンイトトンボ

4月ごろから10月ごろまで長期にわたり見ることができるイトトンボの仲間です。
非常によく似た種でアジアイトトンボがいます。いずれ両種の比較を紹介できるかと思います。奈良各地の池沼で見ることができます。

f:id:tombonara:20210521145819j:plain

アサヒナカワトンボ

丘陵地帯の小さな流れで多くみられる種です。
オスは写真のように白く粉をふきますが、メスは全身金属光沢をもった緑色になります。

奈良各地の流水で普通に見ることができます。

f:id:tombonara:20210521150207j:plain

ニホンカワトンボ

前種によく似ていますが、羽が橙色に色づくことで見分けられます。

前種より、広い流れに多くみられ,大きな河川ではこちらが多くみられます。

今回は両種が同じ場所で確認できましたが、通常は生息場所が違っていることのほうが多いです。

メスは両種の区別がつきにくく同所で見られる場合は注意が必要です。

f:id:tombonara:20210521150729j:plain

ミヤマカワトンボ

前二種とともにカワトンボの仲間です。

最も大きく、より急流になったところでも生息します。

割とすばしこくて、写真に収めるのに一苦労することがあります。

比較的きれいな流れの中上流域に多くみられます。

f:id:tombonara:20210521151030j:plain

オグマサナエ

奈良では各地の池沼で多く見られますが、全国的には少ないようで絶滅危惧種になっています。

サナエとは早苗のころにみられるところからつけられたものと思われます。

大きさは5cm程度と小さなトンボですが、よく似た種が多いため見分けるには慣れが必要です。

f:id:tombonara:20210521151332j:plain

コサナエ

早速前種に似た種が現れましたが、別の種です。

元来、北日本を中心に生息している種で、奈良では南部の二ヶ所でのみ生息していますが、個体数は多くありません。

奈良の特定希少野生動植物に指定されていて、採集は禁止されています。

いずれ似通った種をまとめて説明できればと思っています。

f:id:tombonara:20210521152333j:plain

ダビドサナエ

またまたとても良く似た種の登場です。

大きさはどれも似たり寄ったりですが、前二種と違い、流水に生息しますので、あまり一緒にみられないのです。

しかし五條市の産地ではオグマサナエとダビドサナエが同所で見られ、ほかにも二種類よく似た種を見かけています。

撮影又は採集しないとはっきりと区別するのは難しいと思います。

f:id:tombonara:20210521153337j:plain

トラフトンボ♂

f:id:tombonara:20210521153402j:plain

トラフトンボ♀産卵

最後は奈良県で少し珍しい種です。

トラフトンボと呼ばれますが、体の模様から名づけられたと思われます。

水生植物の多い、丘陵地帯の池沼で見られ、奈良県で希少種に指定されています。

 

今回初めてなので、トンボの見本市のようになりましたが、次第に観察記的にしていきたく考えています。